JR東海は大井川流域の環境保全のために真摯に静岡県と協議を進め

JR東海は大井川流域の環境保全のために真摯に静岡県と協議を進め、リニア水問題の解決を

 

 現在、JR東海がリニア中央新幹線建設を進めるにあたって、静岡県工区工事について静岡県との協議が続いています。県側は、トンネル工事によって水量が減少することに対し、適切な環境影響評価による影響の回避・低減を求めている状況です。リニア建設は大きな経済効果を見込んだ国策ではありますが、大井川流域の自然環境に大きく影響することが懸念されており、静岡県はその適切な対応を求めて協議を進めようとしています。JR東海は県との協議を真摯に進め、大井川流域の住民が納得できるような対応をするよう求めます。

 大井川水系は、お茶をはじめとした12,000haの流域農地の水源として活用されています。また、大井川の水は工業用水として利用されているだけでなく、400を超える企業が約1000本の井戸を掘り利用しています。ビールや酒造メーカー、製紙や発電など、様々な事業者が大井川の水に深く依存しています。

 また、大井川の豊かな水は、水力発電に利用されてきましたが、いくつものダムが建設されていくなかで、水量が減少していきました。1960年、大井川中流域に中部電力塩郷ダムが設置された際には、下流域は水が失われて「河原砂漠」と化しました。この時には、流域住民が水量の復元を求めて「水返せ運動」を展開しました。官民一体となった運動で、国や県、流域市町と電力会社による「大井川水利流量調整協議会」が設立され、時間をかけて水を取り戻しました。

 これらのこともあり、大井川の水は地域にとっての「命の水」と呼ばれています。

トンネル工事をめぐっては、古くは1933年に完成した東海道本線丹那トンネルの建設工事に伴う水涸れがありました。工事中の大量の出水があったため、多量の水抜き抗を掘った結果、丹那盆地の豊富な湧水は失われました。農家への補償等はされたものの、田んぼは乾田と化し、わさびの沢も消えてしまいました。

 静岡県は、リニア新幹線の必要性については、賛同しその上で「事業を行うにあたっては、事業計画地である南アルプスの特殊性及び大井川の水利用の特殊性を考慮して、事業の実施前に県民が安心できるレベルの環境影響評価を実施してほしい」と主張しています。

リニア新幹線が大きな経済効果をもたらすとしても、それによって、自然環境に大きく影響し、流域住民が犠牲になることは、あってはならないはずです。

 

  2020年7月10日                     

静岡県平和・国民運動センター 

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